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新月の小部屋

気ままに善徳女王創作二次小説を中心に他にも赤と黒の創作二次小説を綴っております。

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無窮の剣…流星雨

星の定めし二人…それは



天と地が一つになる処
全てが始まり終わる処

新羅


これはその国の一人の女王と、遥か時の果てまで名のみ伝わる一人の男の物語…





SS 愛してはいけないから


『無窮の剣』…流星雨

*******


遥か唐から高句麗へその先の新羅へ続く半島の原野をピダムは司量部の精鋭数名とともに駆けていた。

枯れ野を渡る冷たく渇いた風が吹き過ぎていく、寒々とした直中を目的地ソラボルを目指して彼らはひた走った。

ピダムは新羅と唐そして高句麗を結ぶ高句麗の交易商団の中に軍事機密を流す組織がありその壊滅および機密の奪還の為、密命を受けた帰還の途であった。

ピダムはわずかに速度を落とし配下の者に馬を並走させながら

「追手をソラボルへ入れてはならぬ」

「引き付け必ずここソラボルの手前で殲滅せよ」

(…引き付ければ、或いは思わぬヤツに会やもと思ったが…)

「は、司量部令」

シュッ!!

とその時、矢が空を切り襲いかかってきた。

「チッ、来たか!」

ピダムは矢よりも速く馬を駆けさせたが、如何せん配下者は付いてはこれぬ、苦い顔で向きを変え降る矢をその剣で次々に払い落とす。

敵の数は十数名二十名には満たぬであろうがやはりこちらが分が悪いソラボルを発ってからここまでの間に怪我の為自ら命を絶つ者敵に殺られた者そして脱落しやはり命を落とした者。そしてここ数日生き残った彼らは殆ど眠らず僅かな仮眠と馬上でとる簡素な食のみであった。

ここまで来て、ソラボルへあと一歩のところで追い詰められた。

援軍を呼ぶことはできない…
この密命自が手で成し遂げてこそのもの…と

「公、お逃げくださいここは我らがくい止めます!」

「いや、それにはおよばぬ」

「しかし…」

「来るぞ!!」

敵がピダム目掛けて降るように襲いかかってきた。

馬を巧みに操りながら次々とピダムの剣は敵を切り倒していく。

それはまさに戦風と言っていい速さと強さであった。

「ヤァッ!」

走る馬から飛びうつるようにしてかなりの手練れがまたピダムに襲いかかってる。

ピダムも跳躍し空中で鋭く剣が交わる、地に降り立ち一瞬の間もおかず襲いかかってきた敵と切りあう鋼と鋼の打ち合う音が張り詰めた空気を切り裂き原野に響き渡る。

独特の型に剣を構えるピダム、返り血がの死地に追い込まれた凄絶な横顔を彩る。

そこへ

「ソラボルへは帰さぬ!」

声と共に綺虎の馬上からの剣が降りかかる。
それを交わしもう一方から来る敵の剣を蹴り上げピダムは後方に宙を回転しながら柄を蹴り剣は一瞬で敵の心臓を貫き倒す。
襲いかかる敵を飛び越えざまその肩をばねにしてさらに高く跳び上がる降り下ろされる剣の先の敵は瞬きする間も与えられぬであろう。

ピダムの無双剣は冴えそれは国仙よりも天賦の才があるというのか、舞うように優雅といってさえいいだがその舞の後には数知れぬ敵の骸が横たわる。

天空には無数の星々が まるで地に現れた神将の姿を称えるように煌めいている。




今夜トンマンは女官とチュクパンを使い月城を抜け出し司量部の配下を従えたヨムジョンとソラボルの先数里のところへ来ていた。


「陛下…」

「……」

ヨムジョンが呼び掛けるが女王は応えない。
まるで見えない姿を探し、聴こえない…声無き声を聴くように
彼女は夜の向こうを見ていた。


「……ピダムが…」


「陛下?」


「ヨムジョン…ピダムの剣の音が…した。」

「?」

「聴こえぬか…?」



その時、物見の者が

「報告申し上げます、司量部令ピダム公丑寅の方角の先一里半にて敵と攻勢に及んでおられます。」

「!!」

「陛下!!」

女王は急ぎ自ら馬に乗った。

「恐れながら陛下危険にございます、ご同乗くださりませ」

ヨムジョンは驚き言った。

「私の危険? ヨムジョン公、……ピダムがここに居ない、すでにもう私は危険なのだ」

ヨムジョンは女王のその言葉に息をんだ。


「陛下…」


「行くぞ!ハッ!!」

トンマンは決死の思いで馬に鞭を入れた。

「ハッ!!」

ヨムジョンも遅れをとらず馬を駆けさせた。

司量部の者共も後へ続く…。




緋に紫の綺虎の額当ての紐が風に靡いている…。

(どうしても生かしておくわけにはいかぬ!)

(………そう思うのは…一度は手に入れかけた物を奪われたからか?
この神業のごとき戦いぶりのせいか?
それとも‥あの言葉のせいか…?)

綺虎いやスジョンの心は燃え上がる焔のごとく揺らめいていた。

スジョンはピダムに狙いを定め弓を絞った。
矢は弦から解き放たれビーンと空気を震わせて飛んで行く
それは確実にピダム捉えていた。


「ピダーーム!!」

( !! )

ピダムは切りあいながらその声に驚きほんの僅か顔をそちらへ向けた…

ビューーン、と

ピダムの頬を掠めて矢が飛んでいった。

「ピダム!!」

もう一度声は聴こえた。


(トンマン!?)



「司量部令!」

ピダムの双眼は今度ははっきりとヨムジョンの声とその姿そして!トンマンの姿を捉えた。

味方の次々とピダムらを援護する矢が敵めがけて放たれる。

「陛下!」

ピダムのその声はスジョンにも聴こえた。

(陛下だと!?)


みるみる司量部の兵たちは敵を圧していく。


「スジョン姫、もはや追うこと叶いませぬ、退却の命令を…」

「…‥くっ」

(このスジョンが、負けたはあの男にか?それとも…)


「女王自ら参るなどとは……」


(それほど離したくない……か)



「陛下、何故ここへ危険すぎます。」

ピダムは帰着の挨拶もせずヨムジョンを睨みつけてから女王に言った。

そんなピダムの言葉に応えず彼女は

「ピダム、あれは?」

女王の顔でそう聞いた。


ピダムは苦い顔で

「淵蓋蘇文の妹 ヨン スジョンにございます」と

「……高句麗を牛耳る男の妹か…今は表立って高句麗と事を構える分けにはいかぬ…」

女王は微かに笑い

「捕らえずともよい…淵蓋蘇文に貸しを作っておくのもよい」

そう言った。


「…‥解りました。」

ピダムは退却する敵を追わぬよう指笛で合図を送った。





敵は去り、草々はただ夜風にそよぐ。



「ピダム…」

トンマンはピダムの手をとり自らの胸に押し当てた…

「この鼓動を感じるか…?」

(お前の生死を思い凍りついていた鼓動が今再び動きだした…)

「……陛下……」

「ピダム只今帰還いたしました」

「………」

「遅い…」

「…申し訳ありません」

「………」

「機密は取り戻してございます。」

「怪我は?」

「……?」

「怪我はないかと聞いておる!」

「無事にございます」

トンマンは先ほどスジョンがつけた矢の掠めた傷に手を伸ばした。

そしてその傷を辿るように撫でながら

「お前は私を守る剣だから…」

そう言った。


(女王を守る者は幾多もおろうが、お前しかこのトンマンを守る者はない)


ピダムはその言葉を聴き折れるほど思わずトンマンを抱き締めた。


降るような秋から冬へかわる清んだ夜空の星々が手負いの、だが鋭く研ぎ澄まされた男の抱擁を弓月のように躰をしならせ受けとめる女王の頭上に耀く冠のように煌めいている。

荒れ野のには二人を隔てるものはない。


「!陛下……あれを…」

「!」

その時天空に耀くあまたの星々が瞬きざわめいたかに思われた。


そして星が流れ、それを追うかのように無数の星々が次々と流れ始めた…

天空の、心を奪われるほどのその流星雨の中の二人はそれが吉兆かそれとも…
それは判らぬただ、今その光景の中二人でいるそれだけである。

ピダムはもう一度強くトンマンを抱き締めた。
そして引きあうように深く唇が重なりあう……

トンマンを永久に守る無窮の剣の示す先に煌めくものは…



今、再び廻り合った二人にはそれは知るよしもなかった…














*永久に………とわに

(11月6日300拍手御礼)

































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この記事のコメント

うさこ様こんばんは〜♪先ずは*300拍手おめでとうございます(^w^)*素晴らしいです!私には遥か彼方の事に思えます。
\(^ー^)/
そして、ピダム格好いいー!トンマンも格好いいー!このシリーズの世界観は背景の月夜のテンプレートにぴったりですね〜。素敵です。うっとり (*^o^*)
2011-11-10 Thu 23:01 | URL | あき #- [内容変更]
あき様へ


こんばんは

>このシリーズの世界観は背景の月夜のテンプレートに ぴったりですね〜。

ありがとうございます。月のテンプレートここのところいいかなーと思い使わせてもらっておりました…が ̄(=∵=) ̄up を急ぐあまりテンプレートの変更を失念しておりました。
この流星雨をup する際一週間くらい変更しておこうと思っていたものへチェンジすることを。
あき様に頂きたいたのコメントで気づきました月か星かどちらがあうか…?ですが。


> そして、ピダム格好いいー!トンマンも格好いいー!


ありがとうございます。

うさこはトンマンにピダムを助けに向かわせたかった…

その思い書かせた 『無窮の剣』です。

(ぺこん)
2011-11-11 Fri 00:09 | URL | うさこ ̄(=∵=) ̄ #- [内容変更]
もう一度読もうと伺ったらテンプレート変わっていて、びっくり!
(°□°;)
これも素敵です。流星雨にぴったり。私も余裕が出て来たらテンプレート探してみます!
命の危険を省みずピダムを助けに行くトンマン!萌!
うさこ様のトンピは格好いいのでテンション上がります♪
2011-11-11 Fri 00:34 | URL | あき #- [内容変更]
あき様へ

こんばんは

>もう一度読もうと伺ったら


ありがとうございます再読頂いただけたなんてうさこ心より御礼申し上げます(ぺこん)

テンプレートも気に入って頂いただけてよかったです。ただ自分では携帯のテンプレートは反映しないんですまた他の方のも拝見することができないんです。
PC のテンプレートは大丈夫なんですけど。
なのでテンプレートをダウンロードする時のみ見ています…↓


> 命の危険を省みずピダムを助けにくトンマン! 萌!

ピダムへの愛が時にトンマンに女王でありながらも命すら省みない行動をさせるのかも……。
と、うさこのところのトン&ピです(笑)


>うさこ様のトンピは格好いいのでテンション上がり ます♪

書いている ̄(=∵=) ̄意図していないことでしたがあき様がそう感じてくださったとうかがい♪という思いでです。

昨日は書き上げて三十分くらいでup しました。書いてから直ぐお風呂に入ったもので(笑)

在庫無しなので次いつupできるか?ですがまたよかったらおこしください(ぺこりん)
2011-11-11 Fri 20:00 | URL | うさこ ̄(=∵=) ̄ #- [内容変更]
うさこ様、こんばんはー!六花です。遅ればせながら、300拍手(おお…!)おめでとうございますーv
うさこ様の素敵なトンピに、私を含め癒される方も多いのですね。
一つ残念なのは、うちの機種でも背景のテンプレが反映されないことですー(><)
このSSにピッタリだという月夜を肴に、トンピをデれっでれに愛でたかったです。(気持ち悪い人がここに!)

ピダムの指笛…!ドラマでそんなシーンあったらいいのに!
でもって流星の中での熱い抱擁シーンがぱぁぁっと目に浮かんできました。
ピダムがもう一度トンマンを抱きしめるのも、「絶対に離さない」っていう意思の表れのようで、とっても大好きです。
トンマンも、本当に自分を守れるのはピダムだけだとわかってるから、そこのところも切なくて「大丈夫だよー!トンマンー(><)」って応援してました。
いやもう変な人ですいません(笑)

えっとですね、前回うさこ様に喜んでくださった、あの倉庫の片隅に置いてあった(笑)お話。もし宜しければ、うさこ様に捧げますー!というかですね、私自身がうさこ様が書いてくださる、あの話の続きが読みたいだけなんですww 
あ、でも本当にご迷惑でなければ、が大前提ですのでー!
>「拒むなら…そう…お前ごと俺のものにする!」
な、なんて男前なんでしょう!こんな、どSなピダムに振り回されたいです←
2011-11-15 Tue 17:06 | URL | 六花 #mQop/nM. [内容変更]
六花様へ

こんばんは


>うちの機種でも背景のテンプレ が反映されないことですー(><)

そうなんですかー
今は ̄(=∵=) ̄ブログの携帯テンプレートは流星になっているはずなんです(笑)
月のテンプレートはちょっとしたミス?でup をあせった ̄(=∵=) ̄が流星に変え忘れた少しの間だけのものでしたので…。

> でもって流星の中での熱い抱擁シーンが ぱぁぁっと目に浮かんできました。 ピダムがもう一度トンマンを抱きしめるのも、「絶 対に離さない」っていう意思の表れのようで、 とっても大好きです。

ありがとうございます。
>目に浮かぶ…とおっしゃて頂けてとても嬉しいで。

トンマンを守る剣は永遠にピダムだけ…
そんな思いで書きました。


>えっとですね、前回うさこ様に喜んでくだ さった、あの倉庫の片隅に置いてあった(笑)お 話。もし宜しければ、うさこ様に捧げますー!


この件頂いたコメントの返信より先になりましたが六花様のブログへ今朝させて頂きました。
本当にありがとうございます。
 ̄(=∵=) ̄のような新参者にとてもありがたいしお申し出物凄く嬉しかったので…
拙いとは思いますが書いてみました。御一読お願いいたします。(ぺこりん)

2011-11-16 Wed 17:30 | URL | うさこ ̄(=∵=) ̄ #- [内容変更]
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