新月の小部屋

気ままに善徳女王創作二次小説を中心に他にも赤と黒の創作二次小説を綴っております。

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SSS御衣紅

*SS 愛してはいけないから

SSS 『御衣紅』


*******


深まる秋の中のその奥の扉を開ければ物語は始まる…


「陛下、この度のピダム公の恩賞は何をお与えになりますか?」


知りたげな顔でチュクパンが言う。
私腹を肥やす大貴族どもから税を取り立てる策を講じたピダムに対しての恩賞は万の敵を退けたにも値する。
しかし、戦により切り取った領地があるわけでは、ない。

「兄貴にはいい考えがありますか?」

そう問われチュクパンは顎にてをやり少し思案顔の後

「やはり土地や金というわけにもまいりません、しかし何も与えないというのもピダム公はまだしもピダム派が黙っていますまい…やはりなにかお与えになる方が得策でしょうな…例えばピダム公が満足する何かをお与えになればきっと周りの者共は公が黙らせてしまうでしょうし…」

そう言いながらチュクパンは意味ありげに女王を上目使いにちらりと見た。
女王は笑って

「兄貴の考えは分かりました」

そう言って思案するように沈黙した。

(ピダム派か、ピダム派、兄貴…その策を使いピダムを縛り従わせるには有効ですが、ピダム派にも力を与えその勢力を上げる策でなければ、ピダムにはもっと力を、彼は私の直属…)

「ピダム公を呼んでください」

女王は女官にそう伝えた。

暫くの後彼女の執務室へピダムは入室した。

「陛下、お呼びだと知らせがあり伺いました。」

「ああ、この度の司量部の働きに何か褒美を与えねばとおもってな」

「褒美など、小臣ピダムただ己の職を全ういたしたまで」

そう言いながらもピダムはやはりトンマンの満足気な笑顔を見ると嬉しさを隠しきれず照れたように笑った。

「褒められれば、そのような顔で笑うことのできるお前は子供のようで好きだ」

「陛下…ピダムをおからかいになりますか」

「いや、そうではない思うたことを言うたまで。」

「何か、褒美に望みがあるか?」

ピダムはそう問われいつも他のものを威圧すつような力を奮う彼らしくもなく意地悪を言われた子供のように少し拗ねたように視線を外した。

「……恐れながら‥陛下はそれをご存知のはず……」

「お前の欲しいもの……」

女王はピダムの苦しげな顔を見つめた。

「司量部令この度の働きは見事、司量部は私の直属その手形印を与えようさすれば別格の扱いが際立ち司量部、延いては司量部令たるお前の力も増す」

「………権力、確かにそれが私の欲するものかもしれません」

ピダムは声が震えそうになるのをこらえ席を立った。
女王に背を向けて室を出ていこうとした。

(私が望んでいいのは権力ですか?
自らが選んだ王。

私は彼女を自らの女王としたが…私だけの女にしたい気持ちとどちらが勝るのか…
それは年を重ねれば重ねるほど明らかになる…)

「ピダム!‥まだ話しは終わっていない」

強く引き留めるような声にピダムはゆっくり振り返った。

女王はその場に立ち

「カチェは重い…外すのを手伝ってくれ」

彼を見つめて女王はいい、自分の言葉に戸惑うようにプイと視線を外した。

ピダムはそんな女王を驚いたように見つめ急ぎ彼女の手をとった。

執務室から私室へもどかしく女王を急がせ小さく彼女を笑わせた。

重い衣の下の内衣は紅、山を彩り川面に散る紅葉のよう…

ピダムの手で頬を包まれ女王の頬はほんのりその紅を映すように染まる。

「陛下は私が欲しいとおっしゃらない…ピダムはこんなに陛下が欲しいのに…」

「ピダム…」

ピダムの口づけは深くなる。

「ァッ…ん…ピダムぅ…」


(お慕いしております………)



閉じられた扉のなかの物語…
美しく染まるは紅の彩…

重なりあう二人の心を映す…







*『御衣紅』(ぎょいこう)
お読み頂きましてありがとうございました。


御衣黄という黄桜がありますがなんとなくそこから秋ならどうだろう…紅の紅葉なら『御衣紅』とでも言うだろうか?と思いこの題といたしました。

この物語のようにピダムの想いが女王に伝われば…と願い書きました。
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華燭

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