新月の小部屋

気ままに善徳女王創作二次小説を中心に他にも赤と黒の創作二次小説を綴っております。

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甘露

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SSS 白菊の露(改題いたしました)

愛いしてはいけないから

SSS 『白菊の露』(改題いたしました)


秋のある日…

チュンチュは女王の私室を訪ねたそこには先客があった。

「女官が今ピダム公がおみえですが…」

成る程確かになにやら楽しげな声が漏れ聞こえる。

(ピダムか、ちっ、間の悪い)

「構わぬ」

女官の取り次ぎでチュンチュは入室した。

そこには紅と濃緑の重ね地に金刺繍菊鏡模様の衣を纏った女王とはす向かいに座り茶を飲む黒衣のピダムの姿が案の定あった。

「陛下、お顔を見に参りました」

わざと満面の笑みで無邪気に言う。

「チュンチュ、子供でもあるまいに…」

そう言うトンマンは嬉しげで女王にわからぬようにチュンチュはちらりとピダムを見た。

(なんの真似だ、猿芝居しやがって)

心でピダムは毒ずく。

「ピダム、急用か?女王の私室に参るなど」

チュンチュはそ知らぬ体で言うさすがにピダムは私も陛下のお顔が見たくて来たとは言えない。

「……」

「私が呼んだのだ、唐より珍しいお茶がてにはいったゆえ、そなたにも届けるつもりであったが」

と女王はそっと助け船をだした。

ピダムはそんな自分をさりげなく庇うトンマンを愛しく思い甘やかな柔らかい眸で見つめた。

チュンチュはその視線に気づいた。

(その目はなんだ!…)

彼は気づいたのだ、その目はその視線はもうその女の躰が甘美であることをしる男のものであると。

「…さようでしたか」

「しかし今日は雨も上がり美しい日和です、庭園を散策して菊見でもいたしませんか?」

「ああ、雨上がりの花も美しかろうな…」

女王はそう言うとピダムに視線移し

「ピダムも一緒に…」

そう誘うように言ったが

「司量部令は遠慮せよ」

ピシャリとチュンチュが言う。

「チュン…」

「陛下…お気遣いは無用にございますピダムはご遠慮申し上げますゆえ」

「でも…」

「陛下、ご報告もまだございますゆえ今宵また参ります」

そういってピダムは気遣う女王を包むように微笑んだ。

(気に入らないなピダム、お前は分をわきまえず陛下を悩ませる…)

「叔母上、公もああ申しておりますゆえ参りましょう」

そう言ってチュンチュは女王の手をとった。
ピダムは面を伏せながら眉をつり上げたがなにも言わぬ。

チュンチュはピダムの双眸から一刻も早く彼女を奪い去りたいかのように急くように室を出た。
暫くして

「痛い…チュンチュ」

ハッと気づけば強く女王の手を引っ張ってしまっていた。

「陛下、申し訳ございません」

我知らずきつく握った手を緩めようとするのを無邪気な仕草で彼女は童女のように繋いだままおおきく振る、さっきの一幕の意味にも気づかぬふうの女王がなんだかうらめしかった。

「まるで子供だな花は逃げぬぞ」

彼女は笑いチュンチュの手を軽く握り返す。

(いつまで子供あつかいなさる、陛下)

苦く心に呟く。


あのように奴から女王を引き離せば今宵彼女の閨が乱れることを知らぬわけではない…

私は子供ではない!男の、奴の思惑がわかりすぎるほどわかる。

が、あの場であの時…あれ以上あの眸にあなたを見つめさせたくはなかった。

今宵、己が誰を抱いても其は所詮むなしい秋風にしかすぎないとチュンチュはは思う。

チュンチュは女王と雨上がりの美しい庭園に咲く大輪の白菊の前で足を止めた。
さっと風が吹き菊の花から雨つゆがはらり、と落ちた。

「あっ」

と女王は小さく言って、手をさしのべて儚く落ちる露を包むようにその掌に受けた。

その彼女の仕草にチュンチュはまた胸の奥を掴まれたような切ない苦しみを噛み締めた…

そして涼しく澄んだ秋風の音が翠青の衣を通り抜け寂しくチュンチュの胸に鳴った。










*こんばんは ̄(=∵=) ̄です。
SSS 『白菊の露』お読み頂きありがとうございます。


このお話は短いので、銀露抄の方に入れるかこちらに入れるか少し悩みましたがチュンチュの思いを脇でなく入れてみたので本編の方で扱うことといたしましたあと諸々の事情により(笑)(ぺこりん)







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