新月の小部屋

気ままに善徳女王創作二次小説を中心に他にも赤と黒の創作二次小説を綴っております。

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SSS青海の波

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雨上がり

SS 愛してはいけないから


『雨上がり』


*******


ミセン公は閉じた扇をてに持ち司量部の執務室へ入ってきた。

「おや、ピダム公どちらへ?」


山積みの資料や報告書をそのままに席をたち部屋をでようとしたピダムを目にしてそう言った。

「…別にちょっとそこまで…」


「ああ……」

ちょっと可笑しそうに扇で口許をかくしながらミセンは言い

「しかしもうすぐ定時報告のじかんですぞ…」

「………」

「時間厳守は司量部の鉄則ではありませんか…それを」

ミセンの話しがくどくなりそうな気配を感じてピダムは話しを遮り

「今日の定時報告はソルォン公にお願いします。後でソルォン公より私へ報告を、そのむねミセン公よりお伝願います。」

そういうとピダムはもう後も見ずに部屋を出ていった。

「いやはや…だいたいどこへ行ったか察しはつきますが、しかし何故報告がソルォン公なんですか私は叔父ですぞ叔父まったく…」

残されたミセンは一人ぶつぶつ言っていた。

春から夏へ季節が移る前ソラボルには時おりの晴れ間はあるがなか止まない雨が降り続いている。



「陛下…いかがなさいましたか?」

アルチョンが何事か思い付いたようにクスクス笑いをもらす女王に何だろう?と言うようにそう聞いた。

「あ、ああアルチョン公すまないちょっと楽いことをおもいついたのだ。」

「……いったいなんでございましょう?」

アルチョンはいつになく楽しげな郎徒時代を思わせるような悪戯っぽい笑顔を見つめた。

「チヌン大帝の頃時おり使われた秘宮があるのは知っておるか」

「聞いたことはございますが…」

「アルチョン公はよく陛下少しはお休みくださいと申すであろう?」

「…はい、確かに…」

(いったい陛下はなにがおっしゃりたいのであろう…)

「それで出掛けてみようと思う。」

「!陛下がでございましょうか。」

余りに驚くアルチョンに女王は今度は落ち着いた笑みで

「ええ、そこに清遊にでかけたいと思います。」

「…承りました…心して護衛させていただきます。」

「いえ…アルチョン公にはこのソラボルに留まりチュンチュを護っていただきます。」

「しかし」

「ソラボルをチュンチュと二人空ける分けにはまいりません…アルチョン公僅かな間といえど公にはチュンチュをお願いいたします。」

「しかし、それでは陛下は…」

「心配ありません…ピダムと一緒に行きます。」

「ピダム…」

「ピダムは剣の腕も優れています…侍衛府とまではいかぬかもしれませぬが司量部の者もピダムが鍛えているので護衛の任にたえられましょう」

(ピダム…)

ピダムの陛下への思いが主に対する臣下以上の思いを忍ばせていることを流石に朴念仁のアルチョンも気づいていた。

「チュンチュには話しておきます。これは決定です。」

アルチョンが何か言おうとした、そのとき女官の声がして


「ピダム公がお見えにございます。」


「通せ」

アルチョンはピダムと入れ替わりに部屋を退出した。


「ピダム、どうした?」

「……いえ」

(お顔が見たくて来てしまったとは言えない)

「…?…まあいい、ちょうどお前に話しがあったのだ。」

「なんでございましょう」



「…ぅん」

女王はクルリとしたまるい愛くるしい眸でじっと彼見つめた。


「…陛下?」


「チヌン大帝がお造りになられた秘宮を知っておるか?」

「はい、昔ソルォン公がお供いたしましたとか…」

「そうであったか…チヌン大帝と璽主それにソルォン公もとは…」

トンマンはピダムがわざと避けた名もさらりと口にしていた。


「それがなにか?」


ピダムは璽主と言う自らに封じている言葉より、いつになく甘えるような躊躇うような女王の物言いが気になり…

少し上気したように白い頬が明るく耀いて“ピダム”と自分をよぶ柔らかい花弁のような唇を見つめていた。


「この雨が上がってしばらくしたら清遊に行ってみるつもりだ」


「陛下がでございますか…」


「ああ…ピダムお前と一緒に」


ピダムは頭のなかで今聞いた言葉を反芻した。



「陛下…」


ピダムはおもわず、だがそっと女王の頬に触れた。

女王はピダムのその手に僅かに頬をよせ…すっと立ち上がり

「ピダム、もうすぐ雨上があがるな」

そういった。

ピダムはその掌に残る柔らかな温かさを包むように手を握り、彼の眸に映るすらりとした姿は雨上がりの空に架かる虹のように眩しく耀く。
捕らえることなど出来ない、その美しいさを見つめていた…




“ピダム…お前と一緒に”
















*伏せっているお布団の中より今回お届けいたします…
『雨上がり』は『秘宮』の前のお話となっております。
スマホが手元にありますと、つい…(よせばいいのにね)


(12月15日400拍手御礼)
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夜光の杯

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